仲間を見つけました

以前メタップスという決済システムベンチャーの社長ブログを読んでいた時に、とても面白い着想を見つけました。 
ある大きな夢を追う時に、資本主義社会を正しく使えば、強力な仲間が得られるというのです。
 
彼の言葉を借りましょう。
何か大きなビジョンを達成したいと思った時に、最も強力な「味方」になってくれる人達は、実は資本主義のルール上で「競合」と定義されている人達なんじゃないかな?
 
資本主義社会では、利益の出るビジネスモデルを見つけた時の営利企業の持つエネルギーはすさまじいものです。このブログの中では、グラミン銀行の例をひいて説明されています。
 
非営利としては成果が出せなかった農村の貧困撲滅活動を、マイクロファイナンスとして利益の出る「ビジネス」として成り立たせ、そのモデルを参考にして世界中の営利法人が参入していった結果、貧困撲滅が実現に近づいたという点です。ビジネスであれば同じ事をする人は「競合」のはずなんですが、このケースだと完全にビジョンを実現する「味方」に変わっています。それはグラミン銀行が「貧困の無い世界を創る」という明確な使命を持ち、これが唯一の存在意義だからなんでしょうね。」
 
もし企業の目的が利益で世界一を目指すことではなく、ある社会問題を一刻もはやく解決するだとした場合のみではありますが、
一旦先駆者が社会問題を解決することがきちんとビジネスになるモデルを構築して、そこに健全な競争が展開されれば、自社のみのリソースで事業をやるよりも何倍もはやく問題を解決できる。そのような場合では、一般には競合と言われる相手は、同じ夢をおいかける仲間でもあるのです。
 
もちろん、ピーターティールが言っているように「利益は独占からしか生まれない」というのは一面の真実ではあります。ビジネスにおいては競合をいかに圧倒して、戦わずに勝利するかが市場命題です。しかし、少し青臭いことを言うならば、新たな事業を始めるモチベーションの一部をこの動機が占めていてもいいとは思うのです。
 
先日、
「屋外、屋内の景観を美しくする」
「世界中の広告を整理してストレスフリーな社会を作る」
その手段として
「無料で施設整備や補修を行い、広告収入でまかなう」
というような株式会社東京と似たような発想を持っている会社を発見しました。
 
エムシードゥコーという世界最大の屋外広告代理店です。
 
東京に住んでいる人だと知っているかもしれません。
たまーにこういうおしゃれなバス停ありますよね?
これを展開している会社です。
L
 
こちらの国交省向けのプレゼン資料なのですが、
「公益広告塔」という概念を提唱して、広告収入によって街の景観をガラッと一変させ、
綺麗にすることをめざしているという点で、うちの会社と同じビジョンを描いているようです。
 
資本主義市場経済の立場から見るとたしかに競合企業ですが、一歩引いて大きな視野で見ると切磋琢磨しながら同じ夢を追いかける味方でもあります。
ただ手強いだけでなく、同じビジョンを追っている仲間であるという点で実は心強くもあるのです。
 
毎度になってしまうのですが、こちらのHPで書いているブログの方もご購読よろしくお願いします。